2027年相続税改正は1棟マンション投資に何をもたらすのか

query_builder 2026/02/14
2027年相続税改正は1棟マンション投資に何をもたらすのか

2027年に予定されている相続税改正、いわゆる「賃貸不動産の5年ルール」は、不動産投資家の間でも関心の高いテーマです。

とくに1棟マンション投資については、「これからは不利になるのではないか」「相続税対策として使えなくなるのか」といった声も聞かれます。


しかし、この制度改正は不動産投資そのものを否定するものではありません。

重要なのは、制度の表面的な変化に振り回されるのではなく、何が見直され、何が変わらないのかを正しく整理することです。


本記事では、2027年改正の前提を確認したうえで、1棟マンション投資にどのような影響が考えられるのかを冷静に読み解いていきます。

2027年相続税改正(賃貸不動産の5年ルール)とは何か

「賃貸不動産の5年ルール」とは何を制限する制度なのか

2027年(令和9年)1月以降に導入が予定されている「賃貸不動産の5年ルール」は、不動産投資そのものを制限する制度ではありません。
正式には、相続前5年以内に取得した貸付用不動産について、相続税評価のあり方を見直す制度(いわゆる「賃貸不動産の5年ルール」)と整理されています。


対象となるのは、相続直前に取得された貸付用不動産の相続税評価であり、これまで賃貸用不動産を取得すると評価額が下がり、相続税を抑えやすい仕組みがありました。

そのため、相続を見据えた短期取得による“節税スキーム”が増えていた背景があります。


この新ルールは、こうした極端に短期の取得による評価圧縮を抑え、実態により近い課税を行うための見直しといえます。


なお、相続前5年以内に取得したすべての賃貸不動産が一律に不利になる制度ではなく、評価方法が単純に取得価格へ置き換わるといった仕組みでもありません。

一方で、賃貸経営や長期保有を前提とした1棟マンション投資までを否定するものではなく、投資の前提や取得目的がより重視される方向性が示されていると捉えるのが適切でしょう。

なぜ2027年にこのルールが導入されるのか

背景には、実際の資産価値と相続税評価との間に生じていた“ズレ”があります。
短期間で取得した賃貸不動産が、収益性や事業性とは必ずしも連動せず、相対的に低く評価されるケースが目立っていました。


賃貸不動産の5年ルールは、こうした歪みを是正するための調整であり、不動産活用そのものを問題視するものではありません。


むしろ、長期的な資産形成や賃貸事業として合理的に保有されている投資が、今後より重視される方向性を示した制度といえるでしょう。

この改正で「影響を受ける人・受けにくい人」

影響を受けやすいのはどのようなケースか

今回の相続税改正で影響を受けやすいのは、「誰が投資したか」よりも、どのような前提で不動産を取得したかという点にあります。


特に、相続発生を強く意識し、短期間での取得を前提に組まれた不動産投資は、新ルールの影響を受けやすいと考えられます。


例えば、取得後まもなく相続が発生することを想定し、賃貸経営そのものよりも評価圧縮効果を主目的としたケースでは、従来と同じ相続税評価を前提にすることが難しくなる可能性があります。


また、賃料水準や修繕計画などの検討が浅く、事業としての継続性が十分に考慮されていない1棟マンションも、制度改正の影響を受けやすい類型といえるでしょう。


重要なのは、短期・対策主導で設計された投資ほど、制度変更の影響を受けやすいという点です。

影響を受けにくいのはどのようなケースか

一方で、今回の改正によっても大きな影響を受けにくいのは、賃貸事業として合理的に成立している1棟マンション投資です。
長期保有を前提に、安定した賃料収入が見込め、修繕や管理を含めた運営計画が現実的に組まれている物件は、評価の枠組み自体が大きく転換するとは考えにくいでしょう。


相続はあくまで将来起こり得る出来事の一つであり、投資判断の唯一の出口ではありません。


相続が発生しなくても、保有・運営・売却といった複数の選択肢が成り立つ1棟マンションは、今回の改正下でも引き続き検討対象となります。


今回の制度改正は、不動産投資そのものの可否を分けるものではなく、投資の考え方や前提条件を問い直すものと捉えるのが適切です。


1棟マンション投資は、この改正で不利になるのか?

「不利になる」と言われがちな理由

相続税の5年ルールが話題になると、「これからは不動産投資が不利になるのではないか」という声が聞かれることがあります。


特に、相続税評価が下がりやすいとされてきた1棟マンション投資は、影響が大きいと捉えられがちです。

こうした見方の背景には、これまで相続税対策として不動産が活用されてきた経緯があります。

取得によって評価額を圧縮できる点が注目され、「不動産=相続税を下げる手段」として語られる場面も少なくありませんでした。


しかし、この捉え方だけで今回の改正を評価してしまうと、1棟マンション投資の本来の性質を見誤る可能性があります。

実際には「不利になる1棟」と「そうでない1棟」がある

今回の相続税改正によって、一律に不利になるのは1棟マンション投資そのものではありません。
影響を受けるかどうかは、あくまで投資の前提や設計によって分かれます。

短期間での取得を前提とし、相続を出口としてのみ想定した投資は、従来と同じ評価を前提にすることが難しくなる可能性があります。
一方で、賃貸事業として安定した収益を見込み、長期保有を前提に組み立てられた1棟マンションについては、評価の考え方が大きく変わるものではないと整理されています。


今回の改正は、1棟マンション投資を不利にする制度ではなく、相続税対策としての側面だけに依存した投資を見直す契機と捉えるべきでしょう。


2027年改正が突きつけている本質的な問い

「相続税対策としての1棟投資」は成立し続けるのか

今回の相続税改正が投げかけているのは、「不動産投資が有利か不利か」という単純な問いではありません。


より本質的なのは、相続税対策を主目的とした投資設計が、今後も合理的と言えるのかという点です。


これまで、不動産は相続税評価の仕組みを活用できる資産として注目されてきました。
しかし、評価の仕組みだけに依存し、保有期間や賃貸経営の実態を十分に考慮しない投資は、制度変更の影響を受けやすくなります。

今回の改正は、相続税対策そのものを否定するものではありませんが、「対策ありき」で組まれた投資に対して、より慎重な判断を求めるものといえるでしょう。

これからは「事業として成立するか」がより問われる

賃貸不動産の5年ルールが示している方向性は明確です。


それは、不動産を一時的な評価調整の手段ではなく、

継続的な事業資産として捉える視点がより重要になる

ということです。


1棟マンション投資においても、賃料収入の安定性や管理・修繕を含めた運営計画、長期的な保有に耐えうる収支構造が問われます。


相続は将来的な出来事の一つであり、事業として成立していなければ、評価以前に判断が難しくなります。


2027年の改正は、不動産投資の価値を左右するものではなく、投資の考え方そのものを整理する契機と捉えることが重要です

これから1棟マンション投資を考える人が持つべき視点

相続税改正を「判断材料の一つ」として捉える

2027年の相続税改正は、1棟マンション投資を検討するうえで無視できない要素ではありますが、すべての判断を左右する絶対条件ではありません。


制度改正を過度に恐れたり、逆に軽視したりするのではなく、複数ある判断材料の一つとして冷静に位置づけることが重要です。


投資判断においては、物件の収益性や立地、運営計画といった基本要素に加え、相続という将来要因がどの程度影響するのかを整理する必要があります。
制度だけを理由に投資の可否を決めてしまうと、本来見るべきポイントを見落としかねません。

制度が変わっても成立する1棟マンションの条件

制度変更の影響を受けにくい1棟マンション投資に共通するのは、長期保有を前提とした安定した賃貸経営が成立している点です。


賃料収入が継続的に見込め、修繕や管理を含めた運営計画が現実的に組まれている物件は、相続の有無にかかわらず判断しやすい投資といえます。


また、出口を相続のみに限定せず、売却や事業継続といった複数の選択肢を持てる構造であることも重要です。


これからの1棟マンション投資では、制度の変化に左右されにくい事業としての強さが、より一層求められるでしょう。

まとめ

2027年改正で変わるのは「不動産」ではなく「考え方」

2027年に予定されている相続税の5年ルールは、不動産投資そのものを否定する制度ではありません。


この改正によって問われているのは、どのような前提で不動産を取得し、どのように保有していくのかという投資の考え方です。

相続直前の取得による評価圧縮を主目的とした投資は、制度変更の影響を受けやすくなります。


一方で、賃貸事業としての収益性や長期的な運営を前提とした1棟マンション投資までが、一律に不利になるわけではありません。


重要なのは、相続税改正を過度に恐れることでも、軽視することでもなく、判断材料の一つとして冷静に整理する姿勢です。
制度は変わっても、立地や収支、管理体制といった基本的な要素の重要性は変わりません。


2027年の改正は、不動産の価値を左右する出来事というよりも、投資判断の軸を整理し直す機会と捉えるべきでしょう。

1棟マンション投資においては、短期的な制度対応ではなく、事業として成立するかどうかを基準に考えることが、これまで以上に重要になっていきます。


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株式会社千寿地所

住所:神奈川県相模原市中央区千代田3丁目18番21号

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